貴船の歴史と、おもてなしの心
当館について
MESSAGE
受け継がれてきた、
心づくしのおもてなし
私儀、藤谷礼子は、貴船ふじや十代目当主、父 藤谷元紀、女将であり母 美津子の長女としてこの地に誕生いたしました。
幼い時から父と母が懸命に働く後姿を見ながら育ち、お客様のことを家族のように想い、ご来店時には幸せそうな顔で迎える母の姿、お見送りする時には名残惜しそうにお客様と話す母の姿が今でも鮮明に思い出されます。 今まさに私が母と同じ想いを抱き、日々お客様をお迎えする喜び、お見送りする時の一抹の寂しさを感じながら「一期一会」を体感いたしております。 貴船ふじやは、日々の喧騒を少し離れることで、ゆったり流れる時間を感じていただけます。川のせせらぎに耳を澄ませ、お部屋から見える自然のままの木々の移ろいに、何故か心が穏やかになってまいります。
何分年月を重ねた館ですのでお気に召していただけるか心配ではございますが、お越しいただくお客様に安心して楽しく過ごしていただけるよう日々精進いたしております。 大切な方との時間やご自身を労わるひと時が、穏やかで温かなものになりますように。 皆様のお越しを心よりお待ち申し上げます。
十一代目 女将
FUTURE
伝統に新しい風を、
感謝の気持ちとともに
数ある中から当館をご覧いただき、誠にありがとうございます。この場所で過ごしていただく時間が、日常を少し離れ、心ほどけるひとときとなりますよう、心を込めてお迎えしております。川のせせらぎや季節の移ろいに包まれながら、ゆったりとお食事やご滞在をお楽しみいただけましたら幸いです。
私自身まだまだ学ぶことも多い日々ではございますが、その分、お客様一人ひとりとの出会いを大切に、あたたかく、心地よい空間づくりに努めてまいります。これからも、この場所ならではの魅力を大切にしながら、新しいおもてなしにも挑戦してまいります。
皆様にお会いできます日を、楽しみにお待ちしております。
若女将
HISTORY
涼を求める心から生まれた
「元祖川床」の由来
天保の時代より旅籠屋として歩んできた貴船ふじや。大正時代、当時の当主であった駒次郎氏が、茶店として川に床几(しょうぎ)を置いて涼んでいただいたのが川床の始まりと言われています。当時は今のようにお料理を出すのではなく、お茶を出して涼んでいただく程度のものでした。
その後、形を変えながら現在のようなお食事を提供する川床へと発展してまいりました。ふじやが「元祖川床」と呼ばれるのは、この貴船の地でいち早く川床の文化を築き上げてきた歴史があるからです。
清らかな貴船川のせせらぎと、手で触れられそうなほど近い水面から立ち上る冷気。それは、昔も今も変わることなく、訪れる人々に究極の「涼」と「癒し」を与え続けています。
先々代藤谷虎男
ふじや先々代、藤谷虎男インタビュー 朝日新聞昭和52年6月12日掲載より抜粋
川床は、ぼくが子供の頃、そう、大正の頃に茶店みたいなのをやっていた養父(駒次郎さん、昭和9年、61才で死去)が、五尺と六尺の畳ほどの床几(しょうぎ)を川の中に置いてみたんですわ。
そのころはせいぜい流れに足をつけて、お茶でも飲みながら涼んだだけで、料理なんかは部屋で食べていました。ぼくが家業を手伝いだしたころ、(昭和初期)から客に好まれて床几をふやすようになりましてね。
いまのような床にしたのは戦後のこと。「観光調」になったのは、ほんの十年前からなのです。
いま、料理旅館は二十軒ですが、客が来るからいうて、収容度を拡張してみても、大衆化したりして、貴船のよさが失われるようでは、自分の首を絞めるようなもんや、いうてますのや。ほとんど土地がないことやし、この先も変わらんと思うんやが、変わるようではあかんと思うてます。川の汚れに気をつけ、昔風のひなびた雰囲気を守っていかねば、人が来んようになるのとちがいますやろか。
貴船というところは、交通の要所でしてね、北丹波の周山から京都の町へ行くのに、芹生(せりょう)峠を越えて、貴船を通るのが最短距離だったんです。いまではみんな高雄を回っていますが。それで、ぼくのところは天保(江戸時代後期)のころから旅籠屋で、確かぼくが九代目です。わらじがけで芹生峠を越えてきた人らが、ぼくのところで着替えたりして服装を整えたそうです。
大々的に料理旅館をするようになったのは、親父が年をとってからのこと。それまでは親父は山仕事をしたりして、母(まつ、昭和二十九年、七十三才で死去)が食べ物の味付けをして、客の世話なんかしてました。そのころ、他に茶店が一軒ありましたが、それもそのうちなくなったようです。
小学校を出るとき、親父が「商売に勉強はいらん」いうて、でっちにやらされましてね。先生らが「勉強やらしてやってくれ」いうて頼んでくれたんですが、「商売にはいらんもんや」いうことで、おばさんがやっていた京都市内の料理屋へ五年間、でっちに行きましたや。
わたしが家に帰った昭和の初めに鞍馬電鉄(いまの京福電鉄鞍馬線※注)が開通、やがて貴船神社と府立植物園(京都市左京区)のあたりを結ぶバスも走り出しまして、そんなことでにぎわうようになったんです。いまの民宿みたいなことをやってたんですが、川の中に置いた床几がえらい受けて、そのうち断りするようになったほどでした。それで、昭和五年に新築しました。
歌人や俳人、それから画家ら名士の人らも好んでこられたようです。お手伝いの人が「いまのが川端先生(川端康成)やった」とかいったりしてましたね。富岡鉄斎さんらもよく来られました。
戦後、世の中落ちついてくるにつれ、やっと来る人もふえるようになって、昭和二十七年でしたか、「貴船観光会」をつくりました。そのときの料理屋や茶店は五、六軒でしたね。ぼくは「ここは観光でしか生きる道がない」と思うてましたので、鞍馬からハイキング道の整備をやったり、川掃除なんかに精を出してきました。おかげさんで、その通りになってきましたんで、それでよかったと思ってますのや。
夏は涼しいですよ。町(京都市内中心部)とは十度は違う。町が三十五度なら、床なら二十二、三度かな。真夏でも夕方になると、ゆかたがけの涼み客が「トッパーを貸してくれんか」というほどなんです。
ここでは、こたつとすだれが入れ替わるんです。床は六月一日から九月いっぱいなんですが、五月いっぱいこたつが離せません。こたつが終わると、すぐに床とすだれ、それがすむと、どうかしたら十月中にこたつがいるんですよ。というても、冬はそんなに寒くないんです。強い風が当たらないためでしょうかね。まぁ、すごしやすいところですねえ。だけど、ここは土地がないんで、食糧をよそから移入しなければならんもんだから。戦争中は苦労しましたなぁ。ぼくは昭和十七年から当時の愛宕郡鞍馬村の収入役に引っ張り出され、前後、二年間ほど村長をやらされたんですが、食糧の見通しが立たなかったことに弱りました。栄養失調で亡くなるものが出るし、そのときの千二百人の村民の食糧確保で精根が尽き果てましたね。
ヤミもやりましたよ。「鞍馬炭」はやわらかい炭で知られていたんですが、供出の割り当てをごまかしたりして、ムギと交換したもんです。何もでけんような狭い土地にジャガイモを植えたりしたもんですが、ネズミのしっぽみたいなものしかできず、ほんまに苦労しましたなぁ。
貴船はええとこなんですが、かなわんのは水害ですな。何度も家が流され、昔の水害ははっきりした記録がないんやけど、ぼくが家業をするようになってからでも、三度水害にあっているんです。昭和十年と二十六年、三十四年です。
十年六月のでは、床の間のちがい棚まで土砂に埋まりましたよ。二十六年のときは、貴船神社の山腹が土砂くずれを起こし、ぼくのところの本館がやられました。三十四年のときは、貴船川へくずれ落ちた樹木や土砂が流れを止めたため、あふれた川の水がいまの道路のあるところをまともに流れ、ぼくの家や貴船神社の鳥居なんかも流されました。十年のときは鴨川もあふれ、先斗町あたりは水びたしになりましたね。
ふだんはおだやか流れなんですが、この奥は芹生峠まで五キロもあるし、枝谷もいっぱいあるんで、集中豪雨になると、こわいんですよ。大水になると、近くの小高い場所へ逃げるんですが、いまある二十軒はそれぞれ四つの地区に別れて、四カ所の避難場所へ行くんです・・・。
※注 現在は叡山電車鞍馬線になっております。
HOSPITALITY
五感に響く、
ふじやのおもてなし
旬の川魚や京野菜を贅沢に使用し、熟練の職人が手間暇かけて仕立てる懐石料理。貴船では珍しい、天然水を利用したサウナ付き浴場や岩風呂。そして、川のせせらぎが聞こえる歴史の息づく静寂の和室。
お料理、空間、そして私たちのお迎えする心。そのすべてが調和して初めて、本当の「くつろぎ」が生まれると信じております。
お客様が日常の喧騒を忘れ、心身ともに癒される極上のひとときをお過ごしいただけるよう、隅々まで心配りをしたおもてなしをお約束いたします。
FOUR SEASONS
貴船の四季が織りなす絶景
春の青もみじ、夏の川床、秋の鮮やかな紅葉、冬の幻想的な雪景色。訪れるたびに表情を変える、貴船ならではの息を呑むような自然美をお楽しみください。
春 - 青もみじ
夏 - 涼風と川床
秋 - 錦秋の紅葉
冬 - 幻想的な雪景色
SUSTAINABILITY
清らかな水と森を未来へ
自然環境への取り組み
貴船ふじやは、この地に湧き出る清らかな水と豊かな森の恩恵を受けて歩んでまいりました。この美しい自然を次の世代、その先の未来へと残していくことは、老舗旅館としての私たちの使命です。
- 地産地消の推進とフードロスの削減
- 環境に配慮したエコ・アメニティの積極的な導入
- 貴船川の水質・森林保全活動への協力
SIGHTSEEING CONCIERGE
✨ AI 周辺観光・過ごし方相談室
貴船神社や鞍馬寺など、周辺の観光プランをご提案いたします。
所要時間や、誰と行くかなどのご希望をお聞かせください。